日頃、皆さまにはひとかたならぬご愛顧とご支援をいただき、あらためて御礼を申し上げます。お陰さまで、当社は創業55年の節目を越えて、さらに皆さまとともにアフターコロナの新たなステージに進出できたことは望外の喜びです。

また「顧客第一」を掲げて、ラベリングマシンなど自動機の設計開発を営々とつづけてきたことで、何かしら社会の一隅を照らすことができたのではないかとも思っております。

ラベリングマシンのパイオニアメーカーとして、「独創的なアイデアと技術」「迅速なフットワーク」「柔軟かつ誠実なアフターフォロー」といった評価に甘んじることなく、お客さまと確かな未来を見据え、革新的な要素技術を意欲的に取り入れた設計開発により、国内外の現場課題に一つ一つ真剣かつ丁寧に取り組んでいく決意です。

私たちの手掛ける自動機の貼るラベルの一つ一つは真に小さいけれども、私たちは、そこに「生活と生命に資するラベル」との大きな責任と自負をもって臨んでいます。私の母校の北里大学には、学祖・北里柴三郎先生に纏わる一つのエピソードが伝わっています。

それは、北里研究所から福澤諭吉先生の元に届けられた牛乳びんが、わずかに汚れていたことに対し、福澤先生が「いやしくも人が生命を託す病院で、この不潔な様は何ごとか」と、厳しく北里先生を叱責されたとの史実です。

私自身がこの叱責を心に止め、細々百事に注意し「顧客第一」で、この事業を成し遂げたいと思っています。皆さまには変わらぬご愛顧とご支援を、何とぞよろしくお願い申し上げる次第です。


※エピソードの詳細:
北里柴三郎は福澤諭吉から多大な支援を受け、土筆ケ岡養生園(北里研究所)の設立。恩もあり、その後も書簡などを通じ、北里と福澤との親交はつづいた。

あるとき、養生園から福澤宅に届けられた牛乳びんがわずかに汚れていたことに対し、北里の元に「一びんのミルクは以て病院の百般を卜すべく薬局の怠慢、料理場のなおざり、医師診察法の不親切等実に恐るべき事に候」との福澤の厳しい叱責の書簡が届いた。

北里は、その福澤の叱責に伏して謝罪し、書簡を手元に置き終生の戒めとした。また「大業に志す者は畢生の千辛万苦に成るものなり。細々百事に注意して辛うじて目的の半に達するの常なり」とも認められた福澤の書簡は現在も北里研究所の「宝」として受け継がれている。

出典:学校法人北里研究所広報誌 雷No.10
https://www.kitasato.ac.jp/

代表取締役社長山下宣行

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